宅配ドライバーのキム・ゴヌ(カン・ドンウォン)は、配達の途中で人気女性アイドル歌手のスア(キム・ユジョン)に襲いかかってきた強盗を無我夢中で撃退し、その功績で「勇敢な市民賞」を受賞した。報奨金を全額寄付したことがメディアで報じられると、謙虚な姿勢や甘いマスクで話題を呼び、人気がヒートアップ。「模範市民」として、一躍国民的ヒーローとなった彼の元には、写真撮影やサインを求める人々や、政界・寄付・保険の勧誘が殺到していた。
次期大統領選挙に沸くソウルの光化門。久しく会っていなかった高校時代のバンド仲間ムヨル(ユン・ゲサン)から突然会いたいと連絡がくる。久々の再会を喜び他愛もない会話を楽しんでいたが、突如、目の前で次期大統領最有力候補者である国民自由党のユ・ヨングクが爆弾テロによって暗殺される。衝撃的な光景を目撃し動揺するゴヌに対して、ムヨルは「国民の英雄キム・ゴヌは、大統領候補を暗殺して自爆する。それが我々の計画だ...」と語り、ある人物の携帯番号が書かれたメモを渡して「誰も信じるな。生きろ」と告げたのち、死ぬはずだったゴヌに代わって自爆した。
親友の突然の死を悼む間もなく、その瞬間から謎の男たちに命を狙われ、訳も分からずひたすら逃げなくてはいけなくなったゴヌ。ガールフレンドの家に身を隠したものの、彼女もゴヌを陥れるための要員だったことが分かり、追っ手を振り切ってとにかく必死で隠れる場所を探す。
大統領直属の機関である国家情報院のファン局長(ユ・ジェミョン)は、暗殺現場周辺の監視カメラ映像や目撃情報をもとに「爆破暗殺犯はキム・ゴヌである」と断定し、公式発表。マスメディアはこれを一斉に報道し、大規模な包囲網が敷かれる。身に覚えのない罪を着せられたゴヌだったが、やがて事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。無数の警察に追われる無実の男は、巨大な陰謀にどう立ち向かうのか――?